
今や国民的行事となった感のある
サッカー・ワールドカップ・ドイツ大会は、
現地時間の9日にベルリンで決勝戦の
「イタリア×フランス」戦が行われ、
イタリアが5対3で制し、見事世界一に輝いた。

しかし、過去の大会のなかで、
これほど激しいブーイングで幕を閉じたW杯は、
76年の歴史の中でも初めてである。
と言うのも、今大会を最後に現役引退をする
フランスの名手ジダンが、最後の試合で見せたまさかの錯乱。

華やかなキャリアとは対照的な、素朴で照れ屋な素顔を持ち、
反面、かっとしやすい激情家の一面もあったという。

フランス大会1次リーグのサウジアラビア戦では
相手選手を両足で踏みつけて2試合の出場停止処分。
00年には欧州チャンピオンズリーグの試合で、
相手選手への頭突きで退場となり、
5試合の出場停止処分を受けたこともあった。
今回、試合後もジダンは無言を貫き、
マテラッツィ選手との間にどんなやりとりがあったかは分からないが、
一時代を画した名選手の幕引きとしてはあまりにも寂しい光景だった。
惜しまれつつ花道を去るはずが、
自らの軽率な行為で奈落の底に落ちてしまうという
波乱万丈のサッカー人生を凝縮したものでもあった

この試合限りで現役を引退するジダンの最後を
8年前の再現で飾ろうというチームメートの思いは、
そのジダンの蛮行で消し飛んだ。
歓喜の歌に包まれるイタリア選手の横で、
栄冠に挑んだフランスのベテラン選手たちには、
あまりにも酷であっただろう。
素晴らしい大会だっただけに非常に残念な幕切れだった。